翻訳する言語を選択してください Select the language you want for this website. 请选择您要翻译的语言 번역 언어를 선택하십시오

  • HOME
  • >
  • Tabunka
  • >
  • Tabunka_komichi

「多文化共生の小径」 

 

//  多文化共生へのいざない //

 

朝顔の里の小径

小径は「こみち」とよみます。人びとが自然にかこまれて歩くほそいみち、人びとが考えながらすすむゆたかなみち、そして、人びとがつながるあたたかいみちです。
この地球上には、どこにも、そんな「こみち」があります。人びとは、そんな「こみち」を作って、歩みを続けてきました。
 この「多文化共生の小径」では、国籍や民族の異なるひとびとが、共に生きていくことについて、歩きながら、つながりながら、考えていきます。
 多文化共生に関心があるかた、多文化共生ってなんだろうと考えていらっしゃるかた、日本で生活しはじめたかた、ずっと日本で生活していらっしゃるかた、みんなで、ともに、「多文化共生の小径」を歩んでいきましょう。        

11回 日本に住む外国人への教育政策の課題

 第 10回多文化共生の小径で、日本の社会統合政策の課題について考えました。各国の社会統合政策の国際比較、 MIPEX(移民統合政策指数)で、日本の教育政策が低くなっていることを報告しました。今回は、なぜ教育政策が低くなっているかについて考えます。

 
💛なぜ.教育政策が国際社会に比べて低い評価になっているか
1.日本に住む外国人児童・生徒で日本語指導が必要な児童生徒に十分な日本語教育が行われていない
「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査2019(mext.go.jp)
 
2.不就学の児童生徒、無支援状態の児童生徒が2.2万人いる(2019年調査)。
  外国人児童生徒18人に一人の担当教員を増員しているとしているが、対策がおいついていない。
(毎日新聞取材班編( 2020)『にほんでいきる』明石書店  p.104
 
3.外国人児童生徒の就学義務がない(2019年)
  日本・中国・韓国は就学義務がない。教育を受ける権利はある。
   日本語教育が必要な外国人児童生徒は全国にいます。特に定住者という在留資格で来日する日系 3世は愛知県トヨタなとの工場があるところで働いています。定住者は家族帯同で来ますから、工場のある土地で、児童生徒の日本語教育が必要になります。
 
 💛この現状に対して、 2020年『日本語教育推進法』が成立しました。日本語教育に関する法律が制定されたのは画期的なことでした。
その後、具体的な検討が続けられています。6つの対策と現状( 202112月末)を説明します。詳しいデータは日本の統合政策のPPTを参照してください。 日本の統合政策.pptx
1) 公立校における日本語担当指導教師の増員や日本語指導補助員の養成
 
🌹 表7 日本語指導が必要な児童生徒に対するに保護指導の内容等について
  • 日本語指導が必要な児童生徒の対象であるかの判断について
  • 日本語指導が必要な児童生徒を対象に行っている指導内容について
  • 「特別の教育課程」による指導を行っていない理由

 
【資料3】外国人児童生徒等教育の現状と課題 (mext.go.jp)令和35
 
2)日本語担当教師を養成するための研修の充実
 
3)就学状況の把握や保護者への情報提供
 
4)外国人生徒を対象とした高校入試での特別定員枠の設置促進
 
🌹外国人生徒を対象とした高校入試での特別枠の現状 例えば東京都を例にみてみます。
東京都:8校     4月入学:150人  9月入学:25人  2021年度
  飛鳥高校・田柄高校・竹台高校・南葛飾高校・府中西高校・杉並総合高校・六郷工科高校・国際高校
受験資格
 ①保護者といっしょに住んでいること
 ②外国籍(二重国籍でも可)
 ③1~3のどれかにあてはまる
  1.外国で9年の課程を修了
  2.日本で外国人学校の9年の課程を修了
  3.日本の中学校を卒業(日本に来て3年以内)
入試方法
  ①面接 ②作文
  *英語が日本語かを選ぶことができます。
  *日本語作文の題目だけ、ふりがなをつける措置を申請できます。
 
 
 5)全都道府県・政令市に少なくとも1校の夜間中学の設置
🌹現状は東京には8校(墨田区立文花中学校・大田区立糀谷中学校・世田谷区立三宿中学校・荒川区立第九中学校・足立区立第四中学校・葛飾区立双葉中学校・江戸川区立小松川第二中学校・八王子市立第五中学校)です。

  • 学ぶ人たち:義務教育を修了できなかった人・諸事情により中学校で十分に学べなかった人・国籍も多様
  • 学ぶ内容:中学校の9教科
  • 時間:夜5時半―9時 40分の授業4コマ行うところが多い
  • 勉強以外にも遠足や修学旅行など楽しい行事がある

 
 東京以外の全国では2021年4月現在21市に設置されている。
 
6)国家資格「公認日本語教師(仮称)」の設置
🌹「公認日本語教師92895901_01.pdf (bunka.go.jp)
 
                                         ページトップへ 

10回 外国人の社会統合政策の課題―移民統合政策指数(MIPEX

 多文化共生のためには、日本に住む外国人が制度上、日本社会に統合されていることが大切です。それでは、世界の国々と比べて、日本の社会統合政策はどのように位置づけられるのでしょうか。今後、日本の社会統合政策の取り組むべき課題はなんでしょうか。
 この課題を考えるうえでは、移民統合政策指数( Migrant Integration Policy Index: MIPEX)が参考になります。移民統合政策が指数化され、国際比較が可能になったのは、 21世紀になってからで、第 1回の調査は 2004年でした。この時は EU加盟国 15国が参加し、統合指数が発表されました。その後、順次、国を増やして行われるようになりました。第 2回は 2007年で 28か国、第 3回は 2011年で 36か国(日本も加わりました)が参加、第 4回は 2015年で 38か国が参加、そして第5回目は、 2020年( MIPEX2020)で 52か国が参加しました。
MIPEX2020の特徴は、各国の統合政策を 1.基本的権利 (basic rights)2.平等な機会 (equal opportunities)3.安定した未来 (secure future)の次元に整理したこと、その3つの次元から、各国の政策を、 1.包括的な統合 (comprehensive integration)2.書類上の平等 (equality on paper)3.一時的な統合 (temporary integration)4.統合なき受け入れ( immigration without integration)の4つのグループに分類したことです。
日本の政策はどうだったのでしょうか。日本は 4.統合なき受け入れ、に分類されました。
総合的な評価、および、 8つの政策分野(労働市場、家族呼び寄せ、教育、政治参加、永住、国籍取得、反差別、保健)について政策目標をもうけ、100点満点で指数化しています。
総合的な評価では、スウエーデンが 1位( 86点)、フィンランドが 2位( 85点)、ポルトガルが 3位( 81点)以下、④カナダ⑤ニュージーランド⑥アメリカ⑦ノルウエー⑧ベルギー⑨オーストラリア⑩ルクセンブルクでした。日本は 35位( 47点)です。
 日本の評価は、分野別に見ると、労働市場 59点、家族呼び寄せ 62点、教育 33点、政治参加 30点、永住 63点、国籍取得 47点、反差別 16点、保険 65点です。保険、永住、家族呼び寄せが比較的高く、反差別、政治参加、教育が低い評価となっています。
なぜ教育が低くなっているかについては、次回の多文化共生の小径で考えます。
  

たましんRISURUの2021年の電飾 このRISURUにTMCの事務局があります

                        20211224日  JK
 
参考文献
移民統合政策指数 (MIPEX2020)  https://www.mipex.eu/
山脇啓造 (2021)「一般財団法人自治体国際化協会 コラム多文化共生 2.0の時代第 33回移民統合の国際比較 
 

 第9回 都立立川国際中等教育学校・付属小学校

 立川市にある都立立川国際中等教育学校は、都立の中高一貫教育校で唯一、校名に「国際」を冠した学校です。20084月開校、2022年度には付属小学校も開校し、小中高一貫教育校となります。応募者1797人に対し、58人が合格し、競争率は30.98倍だったことでも話題となりました。それも、学びの目標とカリキュラムを見れば、もっともだと感じます。
「国際」を軸として、12年間の一貫した目標をたて、その目標を達成するために12年間の教育カリキュラムが綿密に設計されています。
 学びの目標に基づいた学校の特色は3つです。
1.探究的な学び:考える方法を知り、根拠に基づいて思考する力の向上
 💛教科等の授業で実践する探究的な学び
 💛独自の探求プログラム:IBLinquiry based learning)探求12
 
2.語学力とそれを支える言語能力:世界で通用する語学能力とそれを支える言語能力の向上
  💛語学力:英語教育のゴールはアカデミックな英語力
     英語はツール重要なことは発信する内容
     内容と言語の統合(CLIL: content language integrated learning 的な学習)
 💛言語能力:発信すべき内容の充実
 体験と言葉をつなぐ・論理的な思考・多面的に追求・批判的な思考
3.学びを実践する学校行事グランドデザインに基づく学校行事の充実
💛授業で学んだことを実践したり、成果を発表したりする場
💛自立に向けて体験する場
 
どんな人が育っていくのか、本当に楽しみです。
TMCは1223日に中学3年生120名に向けて「国際教育講座」を行います。120名を2つのグループに分け、2サイクルで行います。講師は、中国出身で、日本で大学院を卒業し、日本で活躍しているTMC会員の女性と、40年近く留学生の日本語教育を実践し、多文化共生の実践的研究を行っている私(J.K.)が担当します。
当日のPPTを添付します。多文化共生.pptx
 

 第8回 「安全を保つための閉じた社会」から「安全を保ちながら開かれた多文化共生社会へ」

 出入国在留管理庁から在留資格の事前認定を受けながら、新型コロナウイルスの水際対策のために来日できないでいる外国人は 202110月1日時点で約 37万人にのぼっていました。 2020年1月以降に認定証明書を交付された 57万8千人のうち、 65%が来日できない状態でした。特に、 2021年1月以降、海外での変異ウイルスの流行などを受けて、入国制限が強化され、来日できない外国人の 7割が技能実習生や留学生です。海外では経済再開を見据えて、入国制限を緩和する動きが相次ぐなかで、原則としてすべての国からの入国を拒否する日本は、「閉じた社会」というイメージを与えていました。
 
政府は 118日水際対策の緩和を発表しました。所管省庁の事前
の審査と受け
入れ責任者の責任の下で行動管理等を行うことを前提に、 14日間の自宅等待機期間内の行動制限の緩和措置及び外国人の新規入国制限の緩和措置が実施されることになりました。
受け入れ責任者が 6つの書類( 1.申請書、 2.誓約書、 3.活動計画書、 4.入国者リスト、 5.旅券、 6.接種証明書)を準備し、所轄官庁に提出し認められた上で、入国が可能になります。入国後は、受け入れ企業、大学、学校が、行動管理の責任を負います。入国者は待機期間中(3日~ 14日)、待期施設等で待機を行い、原則として、待機している部屋から出ることはできません。受け入れ責任者は管理責任を問われます。来日できるのは、現在のところ、一日に 3500人です。
それでも、長い間、外国人の新規入国が認められていなかった状態
から、大きな進歩です。「安全を保つための閉じた社会」から「安全を保ちながら開かれた多文化共生社会へ」
多文化共生社会を生きる私たちは、日本政府が出した実施要領を踏まえ、ルールを守り、前進していきましょう。私たちに智恵と勇気が求められています。
 

参考文献
内閣官房副長官補室・法務省・外務省・厚生労働省 (令和3年 11月5日 )「水際対策強化に係る新たな措置 (19)実施要領」
日本経済新聞( 20211021日)「外国人来日足止め 37万人―閉じた日本際立つ」
日本経済新聞 (20211110)「入国緩和に手続きの壁― 13500人、起業に不満」
 
 2021/11/13 J.K.

第7回  多文化共生社会の実現のために―複文化主義・複言語主義という考え方

 
 多文化共生社会の実現のためには、どのような心性・考え方を身につける必要があるのでしょうか。
多文化共生社会とは、一人ひとりが自分の文化・言語に誇りをもち、同時に、隣人の言語・文化を尊重し、相互理解を深めていく社会です。そこには、社会に住む個人が幸福であることが、国家を超えたコミュニティの発展につながっていくという理念があります。この理念の実現のためには、複文化能力・複言語能力を身につける必要があるとして、EU(欧州連合)は、複文化主義に基づいた複文化能力の育成、および、複言語主義に基づいた複言語能力の育成に取り組んでいます。複文化主義、複言語主義は、多文化主義、多言語主義とは異なる考え方です。

複文化主義(pluriculturalism)とは、自分の中にも他者の中にもさまざまな文化が存在し、そのことを互いに認め合うという考え方です。多文化主義(multiculturalism)では、文化を国別、地域別にバラバラに分けて考えますが、複文化主義での文化能力―複文化能力(pluricultural competence)は、その人が体験してきたすべての文化的な事柄がまざりあって、一人の豊かな文化能力が作り上げられると考えます。このように考えると、ちがいがあることを受け入れ、ちがいが豊かさになっていると考えることができるようになります。たとえば、外国につながる子ども、おとうさんが日本人でおかあさんが中国人で日本の小学校に通っているロザちゃんを例に考えてみましょう。ロザちゃんが日本の文化にも属しきれないし、中国の文化にも属しきれないと考えて不安を抱えているなら、それは、多文化主義的な考え方です。これを複文化主義的に考えると、いろいろな文化が混ざりあって、ロザちゃんのアイデンティティが作られていると考えることができます。ロザちゃんが、学校では日本的なふるまい、おかあさんに対しては中国的なふるまい、おとうさんに対しては日本的なふるまいができることは、ロザちゃんの複文化能力によるものです。
複言語主義(plurilingualism)とは一人の人の中にはさまざまな特徴をもつ複数の言語能力が存在し、それらが相互に作用しあって、”その人の言葉”を築き上げているという考え方です。多言語主義(multilingualism)では、各言語能力が独立してバラバラに存在し、母語以外の言語能力は習得途中で不完全なものと考えますが、複言語主義での言語能力―複言語能力(plurilingual competence)は、その人の言語能力は、母語と部分的な言語能力が、相互に関係しあいながら存在し、その人の言語を形成していると考えます。こう考えることで、自分の言語能力、他者の言語能力を受け入れることができるようになります。ロザちゃんの例で考えてみましょう。ロザちゃんの言語能力は中国語、日本語で等しくありませんが、両方を使い分けてコミュニケーションを図っています。おとうさんと話すときは日本語、おかあさんと話すときは中国語、学校では日本語、中国のおばあちゃんと話すときは中国語で話そうとするのは複言語能力によるものです。複言語主義による複言語能力とは、相手への配慮、円滑な目的達成などを考えて、ことばを使い分ける能力で、完全に使いこなせるかどうか(多言語主義による多言語能力)という考え方とは異なるものです。このように考えることができれば、自分の言語能力を受け入れることができるようになり自分のアイデンティティを尊重することができるようになるとともに、他者の言語を受け入れることができるようになり、他者のアイデンティティを尊重することができるようになります。
私は、複文化主義・複言語主義による考え方が多文化共生社会をつくっていく上で大切な考え方だと考えています。
 
日本語教室の小径に関する記事一覧 (tokyofuji.com)
 2021/10/29 J.K.

6回 ひらかれた日本語のためにー「やさしい日本語」という考え方

 
  20206月末現在日本に住む外国人の数は約 288万人です。コロナ禍にあって、 2019年末より約 5万人( 1.6%)減少しましたが、これは 30年前の 1988年の約 3倍です。人数の増加とともに、日本に住む外国人の出身国籍の多様化が進んでいます。
  1988年には全体の 7割が韓国・朝鮮でしたが、 2020年には中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジルの 5か国を合わせて全体の 7割になりました。彼・彼女たちの出身国の公用語は 5言語です。これに6~ 10位のネパール、インドネシア、台湾、アメリカ、タイを加えると、出身国の公用語は 9言語になります。英語が公用語ではない国・地域が 8か国・地域です。英語が公用語なのはアメリカとフィリピンだけです。ですから、日本に住む外国につながる人のために「英語に訳せばわかりやすい」という考え方は、変えていく必要があるのです。
 これらの外国人が日本人と対等な市民として生活し、多文化共生していくうえで、地域社会の共通言語となるのは、「やさしい日本語」です。このひらがなで書く「やさしい」には、文法・語彙がわかりやすく「易しい」という意味と、対等な人として多様性を受け入れようという「優しい」という意味がこめられています。
 「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」には、行政文書・報道で使われる文から、ステップ1で日本人にわかりやすい文へ、さらにステップ2で外国人にわかりやすい文へどうやって変換していくか基本的な方法が示されています。そして、実際の返還例が示されています。わかりやすい文への変換の基本は
  1. 簡単なことばを使う
  2. 漢字には振り仮名をつける
  3. 外来語を使わない
  4. 単文を使う
  5. 長い文章は箇条書きにする
  6. あいまいな表現をさけ、明確に述べる
です。
たちかわ多文化共生センターでは、この「やさしい日本語」を使って情報を発信しようと、「やさしい日本語」についてみんなで学び続けています。
20191月には、庵功雄さん(一橋大学国際教育センター教授)をお招きして、多文化共生のひろ
ばで「やさしい日本語お願いします」という講演会をしました。
20211212日の文化共生のひろばでも、志賀玲子さん(東京経済大学特任教授)をお招きして、「やさしい日本語お願いします 実践編」という講演会を行います。
 「やさしい日本語」を身に付け、多文化共生社会を創っていきましょう。
 
参考文献
出入国在留管理庁・文化庁( 2020)「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」
庵功雄 (2016)『やさしい日本語 多文化共生社会へ』岩波新書
庵功雄・志賀玲子・志村ゆかり・宮部真由美・岡典栄 (2020)『「やさしい日本語」表現辞典』丸善出版
 2021/10/11 J.K.

5回 『外国人市民のための相談会』の根底にある理念

 
日本において多文化共生は次のように定義されています。「多文化共生とは国籍や民族の異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」(総務省「多文化共生の推進に関する報告書 地域における多文化共生の推進に向けて」( 20063月)

相談会場への案内

 
ここには日本人市民も外国人市民も『ともに地域社会を支える主体』であるという願いが込められています。「外国人は支援を必要とする人」というパターナリズムの考え方から、「ホスト社会とは異なる資源をもち、ホスト社会に住む人とともに社会を創っていく人」というエンパワメントの考え方に変わっていこうという信念が主張されています。『共に地域社会を創っていく』という『包摂』(ほうせつ: inclusion)の考え方です。
 その考え方にたって、東京都は、名前には『支援』を使っていますが、『共に創っていく市民』のための『外国人のための無料専門家相談会』を行ってきました。毎月、東京都の多文化共生に関係する団体が、 2326市のどこかで行っている(リレー形式で行っている)ので、『リレー相談会』と呼ばれています。日本社会に溶け込もうとして溶け込めないでいる外国につながる人を、リレー形式で支えようという東京都の試みです。たちかわ多文化共生センター(TMC)も設立時から東京都のリレー相談会にかかわり、 2021年度は『第 19回外国人のための無料専門家相談会』を行うことになっています。期日は 2021102日(土) 1000から 1530です。今年はコロナ禍にあって、予約形式で相談会を行うことになっています。相談がある方は、ぜひ、TMCにご連絡ください( 042―5270310)。
 この相談会では、弁護士・行

相談マッチング確認

政書士・社会保険労務士・税理士などの専門家が、外国につながる市民の問題に解決するため、無料で『問題』を聴き、解決の方向を見出します。ことばの壁を越えるために、TMCの通訳ボランティアが、外国人市民の『問題』を日本語に通訳(表現)します。ボランティア通訳者は、外国人市民の『問題』に寄り添って、外国人市民が『共に地域社会を創っていく市民』として生きていくことができるように、サポートしていきます。そして専門家は、『問題』を解決していくための法的処理を行う専門家としての役割を果たします。
 根底にあるのは、『共に地域社会を創っていこうという意志』、『違いを受け入れようとする寛容性』、そして、『だれもが自由に生きる権利があるという人権意識』です。
 このほかにもTMCは毎週土曜日(午後 100400)に『外国人およびその関係者のための無料相談窓口』を立川市女性総合センターアイム 5階で行っています。
 外国につながる方々の『問題』が解決され、外国につながる方々が『共に生きていく市民』として笑顔になれることを念じて、TMCのメンバーは歩み続けています。
 2021/09/25 J.K.

4回 立川市の外国人児童・生徒へのコミュニケーション支援・生活支援

 

見事に咲いた彼岸花

立川市における多文化共生への取り組みは、基本的に、総務省の枠組みにそって、 .外国人市民のコミュニケーション支援、 .外国人市民の生活支援、 、多文化共生の地域づくり、 、多文化共生の推進体制の整備、という枠組みで行われています。 2005年から 2019年までの 15年間に立川市は第 13次の多文化共生推進プランを重ねてきました(各プランは 5年間)。
 立川市は、第4次多文化共生推進プラン( 2020年度 ―2024年度)検討会議委員による審議を経て、 2020年6月に立川市第 4次多文化共生推進プランを発行しました。この委員会は、市民公募、多文化共生にかかわる団体推薦による委員(基本的に日本人委員・外国人委員のバランス、男性・女性のジェンダーバランスを考えたメンバーからなる) 10名からなる委員から構成されました。
 委員は、仕事をもっている方たち、多文化共生の推進を願っている方たちで、ボランティアです。委員会は、仕事が終わってからの時間帯、午後 7:00から 9:00までで、 2019年(令和元年)5月から 11月まで 8回の議論が重ねられました。
その中で重点項目となったのが『外国人のための日本語教室の開催』です(立川市第 4次多文化共生推進プラン、令和 2年( 2020)年立川市、 p.20)。これは 、『外国人市民のコミュニケーション支援』として位置づけられています。
『日本語が話せずに困っている外国人に日本の習慣などを教えることにより、慣れない日本での生活上の負担を軽減する。特に小・中学校に通学している児童・生徒の支援を検討する。また、日本語教室で日本語を教えるボランティアの育成をする』

朝顔の小径遠望


日本語が話せずに困っている外国人児童・生徒に対して日本がどう取り組んでいくかについては、これからの『移民社会日本』をどう形づくっていくのかに関わる根幹の課題です。多文化共生事例集(総務省令和 38月)でも、日本経済新聞の記事( 2021年9月 15日)でも取り上げられ、市民がいかに関心をもって行動していくかが問われています。
立川市第 4次多文化共生推進プランの『外国人のための日本語教室の開催』に向けて、たちかわ多文化共生センター( TMC)は具体的な取り組みを始めています。多文化共生に関わる他団体とつながって、「立川市の外国につながる子どもたちの生活日本語能力( BICS)をつけ、誇りをもって立川市の市民として生きる力を育てたい」と、たちかわ多文化共生センターは考え、具体策を検討しています。
2021/09/19  J.K.

カモの遊ぶ小川

カモが楽しく遊ぶ小川

豊かな清流

3回 多文化共生ってなんだろうー同時多発テロから20年目の日にー

 
きょうは、 2021911日同時多発テロから 20年目の日でした。アメリカ合衆国はあの日、亡くなられた方たちの名前を読み上げ、追悼の意を世界に示しました。
  20年前の同時多発テロは、異文化を理解することは難しいことを、つきつけてくれました。それは「多文化主義」に対する挑戦でした。イスラム社会と資本主義社会の対立はどうして起こったのでしょうか。イスラム社会は、自爆テロと言う形で、何を表現したかったのでしょうか。
 私は、世界貿易センタービルのあった場所、グラウンゼロにたって、そのことを考え続けてきました。イスラム原理主義は、「多文化共生」の難しさを表現したからです。
  1970年代から 2000年代の「移民」(欧州では移民の定義は「外国で生まれた人」)政策を見てみると4つの段階に分けることができます。
 

彼岸花の小径

1段階は「ノンポリシー」、移民がいても何もしない段階です。
第2段階は「ゲストワーカ ポリシー」。移民は労働者としては受け入れますが、いずれ帰っていく存在と考えます。移民を「デカセギ」のよそ者として考える段階です。
3段階は「同化政策」。移民を定住する存在として認めますが、文化的存在としては認めない段階です。移民の「文化」を捨てて、ホスト社会に同化することを認める段階です。
4段階は「多文化主義」と呼ばれる段階で、移民を永住する存在として認め、かつ、文化的アイデンティティを認める段階です。
 
私たちは、他者の価値観を認めています。文化的アイデンティティも認めてます。でも「認める」だけでは十分ではないのです。
その次の第5段階の「多文化共生」の段階が必要なのです。「多様性」を認めたうえで、それを「包摂」する社会。包摂(ほうせつ、 inclusion)とは、文化的多様性を認めたうえで、「対話によりともに生きる市民として共生社会を創り上げていく段階です。同じ市民として、一体感をもって、「義務」も「責任」も果たしていく社会ですす。
 
包摂 (ほうせつ: inclusion)とはなんでしょう。だれもが仲間であると感じられる「やわらかなまなざしの社会」、「一人ひとりが市民として責任を果たしていく社会」、そのような「多文化共生社会」を目指して、TMCは、歩みを続けています。
 2021年9/11 J.K.

第2回 立川市多文化共生都市宣言

 
2016年12月19日、私たちTMCが活動する立川市は「多文化共生都市宣言」をしました。市民の提言が立川市議会で取り上げられました。そして『多文化共生推進プラン検討委員会議』で議論されました。そして市議会の審議を経て、宣言が行われました。

わたしたちは、国籍や民族や文化の違いを互いに尊重し、共生する地域社会の実現を目指して、ここに立川市を「多文化共生都市とすることを宣言します。
1. 思いやりの心をもって、互いの文化を理解し尊重します。
1. 国際的な視野を持ち、みんなで協力して、多文化共生のまちをつくります。
1. ともに地域社会の一員として、笑顔で交流します。
1. やさしい気持ちで人や文化を受け入れ、多文化共生の輪を広げます。

 「多文化共生推進会議」では、「思いやり」「みんなで協力」「笑顔」「やさしい気持ち」ってなんだろう?と話し合いながら、この宣言文を考えました。
 TMCはこの宣言文を大切にしています。
TMC『語ボ』はこの宣言文を14言語に訳しました。そして、『14言語で綴る「立川市多文化共生都市宣言』」を発行しました。
「NPO法人たちかわ多文化共生センターでは、この宣言文をできるだけたくさんの言語に訳して、多文化共生の精神を世界につながる人々と分かち合いたいと考えました。ここに、TMCのボランティア翻訳者、および、立川市に関わる外国につながる人たちが協力して14か国語で綴る『立川市多文化共生都市宣言』を発行することができました。ご協力いただいたボランティア翻訳のみなさまに感謝いたします。
 
2017/9 NPO法人たちかわ多文化共生センター
 
 参考
※14か国語とは: 日本語、英語、中国語、韓国朝鮮語、タガログ語、フランス語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、フィンランド語、マレーシア語、タイ語、ベトナム語です。

第1回 ―多文化共生という生き方―

 
 たちかわ多文化共生センター(TMC)は、2001年に創られました。そして2002年にNPO(Nonprofit organization:特定非営利活動法人)となりました。20年がたちました。たちかわに集まる人びと(多文化の人びと)が、共に生活者として生きていくことを目指して、「たちかわ多文化共生センター」という名前にしました。
   2021年現在、『会員』は80名、このうち外国につながる方(日本に帰化した人を含む)が約15名います。会員の約20%です。多文化共生への意志がある方は、だれでも会員になることができます。会費は3000円です。
 また、翻訳・通訳を通して多文化共生したい方は『語学ボランティア』(語ボ)になることができます。 2021年現在、『語ボ』は69人、このうち外国につながる方が15名います。『語ボ』の約20%です。言語は11言語です。中国語21人、英語25人、スペイン語5人、ポルトガル語4人、ハングル8人、ロシア語3人、タガログ語3人、タイ語1人、インドネシア1人、フランス語1人、ドイツ語1人です(2言語の語学ボランティアもいます)。どの『会員』『語ボ』も、多文化共生へのこころざしをもって、自分にできることは何かとさがしながら、多文化共生の小径を、楽しんで、歩んでいます。
 わたしたちが多文化共生の小径を歩み続けてきたこの20年のあいだに、『多文化共生』ということばを使う人が多くなりました。『多文化共生』ってなんだろう?と興味をもつ人も増えました。多文化共生を生きようとする人も増えました。
 みなさん、わたしたちといっしょに「多文化共生」という生き方をしませんか。手をつないで歩み続ける人たちが増えることが、私たちのこころからの願いです。
 
2021/09/08  J.K.

TMCへのアクセス


特定非営利活動法人 たちかわ多文化共生センター
東京都立川市錦町 3-3-20 たましん RISURUホール 5階
/FAX  042-527-0310
mail:  tmc@poppy.ocn.ne.jp
JR西国立 徒歩7分  JR立川駅 徒歩13分